4月で開設から丸20年を迎える、兵庫県立舞子高校の環境防災科(神戸市垂水区)。同科で学んだ3年間を原点に、減災への思いを形にする卒業生がいる。(上田勇紀)
■2期生 中野元太さん(京都大研究所助教) メキシコで自主防災組織普及
2期生の中野元太さん(34)。京都大学防災研究所巨大災害研究センター(京都府宇治市)の助教となり、高知県や、地震が多発するメキシコなどで防災教育を実践する。
神戸市垂水区出身で、小学1年のときに阪神・淡路大震災を経験した。自宅マンションで地鳴りのような音に目を覚まし、激震に揺さぶられた。「地震を知らず、何も分からないまま両親の部屋に逃げ込んだ」
被害はなかったが、7歳の記憶は今も鮮明に残る。「震災で崩れた家と、崩れなかった家があるのはなぜだろう」。そんな疑問が、環境防災科を志望した理由の一つだ。
在学中は、災害ボランティアや海外交流に励んだ。2004年、台風23号に襲われた兵庫県豊岡市で、泥だしや家具搬出を手伝った。新潟県中越地震では、同県長岡市の高校に募金と折り鶴を届けた。ネパールの農村地帯でホームステイも体験。「思い出は語り尽くせない」と、笑顔で振り返る。
大学卒業後、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として中米エルサルバドルへ。子ども向けの防災教材を手がけた。帰国後、NPO法人などを経て京都大大学院に進み、現在は国内外で災害への備えを伝える立場になった。
「リスクを伝えて不安をあおるだけではだめ。防災活動を通じて、地域を元気に、ハッピーにしたい」と目標を語る。高知県黒潮町では、南海トラフ地震で約34メートルの津波予測が出され、避難を諦める高齢者が続出。一人ずつの「個別避難訓練」を通じ、自分の足で逃げられると知ってもらう取り組みを仲間と進めた。メキシコでは自主防災組織を根付かせ、実際に起きた火災で被害軽減につながった。
後輩たちには「現場に足を運び、自分自身で考えて問題を見つけてほしい」とエールを送る。
◇
■1期生 岸本くるみさん(神戸学院大助手) 震災経験伝える語り部活動も
1期生で、神戸学院大学社会防災学科(神戸市中央区)の実習助手を務める岸本くるみさん(35)も、防災に関わり続ける一人だ。
高校の授業で、阪神・淡路を経験した消防士や有識者らの話を数多く聞いた。小学2年のときに同市兵庫区で被災したが、「いろんな立場の人から聞くことで、自分の震災体験の見えていない部分が埋まっていった」。ライフライン復旧の裏にあった苦労や、人それぞれ被災の状況が異なることを学んだ。
大学卒業後は、「人と防災未来センター」(同市中央区)の震災資料専門員などとして災害と向き合ってきた。昨年末には、震災の経験を伝える神戸のグループに加入。語り部として新たな一歩を踏み出した。
「防災を考える。それは生きることに前向きということ。災害で『死なないために』というより、『明日も楽しく生きるために』。経験を伝えていきたい」。そう目を輝かせる。
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