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西宮市役所=西宮市六湛寺町
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西宮市役所=西宮市六湛寺町

 兵庫県西宮市長選(20日告示、27日投開票)で現職と日本維新の会新人ら計3人が立候補を表明する中、阪神間の市長たちが「現職支持」を鮮明にし始めた。13日には近隣の尼崎、芦屋、宝塚、川西市の4市長が街頭演説に集結して「良好な自治体連携の継続」をアピール。一方、県内初の公認首長誕生を目指す維新陣営は「選挙向けの互助会だ」と批判した。(山岸洋介、三島大一郎)

 「石井さんが市長になり、西宮と尼崎の連携は大きく進んだ。情報とノウハウを共有し、前例のないコロナ禍に立ち向かっている。阪神間がともに発展するため、西宮市民の皆さんの力を貸してほしい」

 告示1週間前の13日夕、買い物客でにぎわう商業施設「阪急西宮ガーデンズ」前。マイクを握った稲村和美・尼崎市長は、両市がシステムを共同調達して経費削減につながった実績や、懸案だった阪急電鉄・武庫川新駅(仮称)の具体的な検討が始まったことを挙げ、現職石井登志郎氏への支援を呼び掛けた。

 続いて演説した伊藤舞・芦屋市長と山崎晴恵・宝塚市長も「まちづくりの同志」と石井氏との協調関係をアピール。司会の越田謙治郎・川西市長も「石井さんとは20年来の付き合い。逃げずに戦う人だ」と持ち上げた。

 越田氏は、参加した4人と石井氏が通信アプリLINE(ライン)のグループで気軽に連絡を取っている仲だと紹介。「ほかの首長さんとも連携は取れているが、特に密接なメンバーで応援に来た」と強調した。

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 一方、阪神間7市のうち、直近の選挙で維新の県組織「兵庫維新の会」から推薦を受けた伊丹市長と三田市長は姿を見せなかった。

 石井氏も含め、マイクを握った5人は誰も「維新」という言葉を口にしなかったが、聴衆からは「逆に意識しているのが伝わってきた。阪神間で勢いづく維新への危機感の表れではないか」という声が漏れた。

 昨年秋の衆院選では、維新が阪神間の自治体で軒並み最多の比例票を獲得し、勢いを見せつけた。その半年前に行われた宝塚市長選では、事実上の現職後継とされた山崎氏に維新候補が約1600票差まで迫っている。

 今年は西宮市長選に続き、尼崎と川西でも市長選が行われる。すでに維新は尼崎市長選に公認候補を擁立する考えを示しており、川西市長選や来年の芦屋市長選での対応も注目されている。石井氏を支持する市議は、4市長のそろい踏みについて「西宮で維新の勢いを止めてほしいということだろう」と推し量った。

 兵庫維新の幹部は14日、神戸新聞社の取材に「本当に政策を支持しているのか」と4市長の姿勢を疑問視。「われわれはどんな選挙でも包囲網を敷かれ、逆境にさらされてきた。実績と政策を訴え、市民の理解を得るという戦い方に影響はない」と語った。

選挙阪神西宮市長選22
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