女性首長への道を切り開いた元兵庫県芦屋市長の北村春江さんが13日、亡くなった。初当選時に「お母さんたちの声を市政に生かします」と高らかに誓い、阪神・淡路大震災では復旧復興を指揮し、難しい市政運営のかじ取りを担った。3期12年にわたって責務を果たし、全国に女性首長が続々と誕生する礎となった。
震災では自宅が全壊。たんすの下敷きになり骨折した夫を病院に託し、市役所に駆けつけた。救援要請や避難所の運営、インフラの復旧…。山積する課題に即断即決を迫られる日々が続き、震災から2カ月半の間は市長室の隣に段ボールを敷いて寝泊まりした。
最大の課題は、被災地の土地区画整理事業だった。被災者から猛反発を受け、議会は予算案を否決。後に「一番苦しい時期だった」と振り返った。抗議する被災者に公用車を取り囲まれ、ボンネットやガラスをたたかれたこともあった。
それでも遂行した思いをこう口にしていた。「災害に強いまちづくりが命題だった。がれきで救急車が通れないような道路では人の命が守れない」
何度も地元に出向き説明会を開いた。市内の区画整理が全て完了したのは震災から10年後、市長を退任して2年後の2005年だった。
◇ ◇
「全国初の女性市長」には、さまざまな差別や障壁もあった。
初当選時、「地方自治の首長は女性では無理」とささやかれた。登庁すると幹部職員は男性ばかり。市議には「赤い服ですか。近づきにくいですなあ」とけん制された。
北村さんはあえて「女性の市長だからといって容赦はしないでください。よりよいまちづくりのため、アイデアや意見を積極的に出してほしい」とあいさつした。震災後の再選を目指した市長選では「平時ならともかく、女性市長に震災復興は無理だ」と攻撃された。そんな時代だった。
その後の02年、白井文氏が県内2人目の女性首長として尼崎市長に就任。現在は同市や宝塚、芦屋市、播磨町で女性が首長を務めている。
一方で、自らを「戦前戦中派」と語り、平和への思いも強かった。大阪の女学校時代に太平洋戦争が始まり、工場に動員された。疎開も経験し、戦争の悲惨さ、恐ろしさ、ひもじさが身に染みついていた。
北村さんは憲法への思いを神戸新聞への寄稿でこうつづった。「戦争放棄を定める憲法の条文は変えないでほしい。あの忌まわしい戦争を経験した者の切なる願いである」(土井秀人)
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