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西宮市役所=西宮市六湛寺町
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西宮市役所=西宮市六湛寺町

 任期満了に伴う西宮市長選の投開票(3月27日)まで1カ月を切った。再選を狙う現職と、日本維新の会の新人が立候補を表明し、一騎打ちの公算となっている。「市民派」を掲げる現職は、どの政党にも推薦を求めていないが、維新の進出を警戒する他党が支援に動き、包囲網を形成。一方、昨秋の衆院選で躍進した維新は、兵庫県内初となる党公認の首長誕生に向け、攻勢を強めている。(山岸洋介、三島大一郎)

■昨秋の衆院選で…

 現時点で立候補を表明しているのは、現職の石井登志郎氏(50)と、維新の元県議増山誠氏(43)。

 同市議会(定数41)で最大会派の自民党系会派(9人)は今月、石井氏と2期目に向けた政策で合意し、支援を決めた。「市長を維新に取られないよう、石井氏を支えるしかない」。会派幹部は、現職の支援に回った理由を説明する。

 自民は前回の市長選で、推薦した候補が108票差で惜敗。石井氏の就任後は、公約とした退職金廃止の条例案を「拙速」と批判し、いったん継続審査に追い込むなど、是々非々の立場を取ってきた。

 今回も会派内で立候補に意欲を見せる市議はいたが、昨秋の衆院選では市内を含む小選挙区で自民と維新の候補者が接戦に。市長選で現職、維新との三つどもえになれば勝算は低いとみて判断した。自民県議や衆院選で辛勝した国会議員も石井氏をサポートする。

 立憲民主党は、旧民主党政権時代に1期だけ同党の衆院議員を務めた石井氏を支援する構え。関係者によると、連合兵庫は石井氏に推薦を打診したが、固辞され、自主的に支援するという。ある市議は「維新が市長を取れば、来年の市議選でも勢いが増す。維新政治の浸透は避けねばならない」と危機感を示す。

 連携する市民団体と擁立を探ってきた共産党も今月になって自主投票を決定。「現職の評価は割れているが、票が分散すれば維新を利する」と事実上の現職支援に転じた。

■兵庫は「第2の牙城」

 「兵庫に維新の首長を誕生させ、党勢拡大に拍車を掛ける」。馬場伸幸共同代表は、大阪に次ぐ「第2の牙城」とされる県内で浸透する意義を強調する。

 維新が県内の首長選で公認候補を擁立するのは今回で4度目。2013年に大阪以外で初めて伊丹、宝塚両市長選に擁立したが、いずれも惨敗した。

 だが、昨年4月の宝塚市長選で前市長の継承を訴えた無所属候補に迫り、7月の知事選は自民とともに推薦した候補者が初当選。衆院選では、大阪で協力関係にある公明党の候補が立った2選挙区を含む3選挙区以外で9人を擁立。小選挙区で1人と比例復活で残りの8人が当選し、自民に次ぐ勢力となった。

 西宮市長選は党本部も巻き込んだ総力戦で臨み、松井一郎代表や吉村洋文副代表の来援も検討。党本部幹部は「兵庫への浸透を確実にするため、大事な選挙となる」と意欲を示す。

 一方、前回市長選で、自民と足並みをそろえて候補者を推薦した公明は「中立」の姿勢を示す。大阪での維新との関係もあり、難しい立場となっている。

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