あふれる花束、鼻をすする音、子どもを抱きながら手を合わせる人…。17日、阪神・淡路大震災の被災地は亡き人を思う気持ちであふれた。「記憶をたぐると今も苦しい」「なんとか乗り越えてきたよ」。思いを語る遺族らの声を聞いた。あれから27年。残し、伝え、つなぐために。
神戸・三宮の東遊園地で竹灯籠に火をともした大阪府東大阪市の高橋一子(かずこ)さん(69)は、神戸大理学部2年生だった長男の幹弥(みきや)さん=当時(20)=を失った。
神戸市東灘区の阪神電鉄住吉駅近くのアパートに下宿していた幹弥さん。
神戸が大きな被害を受けていると知り、何度も電話したが、つながらなかった。18日夜、夫と車で神戸に向かい、19日未明に到着。「生きている」と信じていたが、アパートのそばにあった銭湯の煙突が倒れ、幹弥さんの部屋を直撃していた。
がれきの下で見つかった息子はきれいな顔をしていた。医師の診断は「圧死」だった。
家族思いで、優しくて、手のかからない息子だった。下宿先で使う自転車を買ってあげようとすると、「高いからええよ」。自分できちんと家計簿を付け、「何かあったときのために」という父の言いつけを守り、引き出しの下に1万円札を貼り付けていた。
地震の2日前、幹弥さんは東大阪市であった成人式に出席した。同窓会を終え、神戸に戻ろうとした。「実家に寄ればいいのに」。そう声をかけたが、そのまま行かせてしまった。
「もっとちゃんと引き留めておけば。そもそも、神戸で下宿をさせなければ良かったんじゃ…」
一番悔いたのは、懸賞で当てた目覚まし時計を息子にあげたこと。牛のキャラクターから「モ~。一生寝てろ」という音声が流れる。「がれきからあの時計が見つかった時、いまだに息子が使ってたことを知った。腹が立って、すぐに捨てました」
何も考えることができなくなった。でも、葬儀に参列してくれた多くの同級生が、みんなに慕われる息子の姿を教えてくれた。夫や次男は率先して家事を手伝ってくれた。
後悔ばかりだった日々。本当は、ちゃんと大人になって、好きなことを頑張ってほしかった。でも今はこう伝えたい。
「幹弥がおらんのは寂しい。でも、家族で力を合わせて、何とか乗り越えてきたよ」
もう心配しないで。27年を経たきょう、自慢の息子に語りかけた。(井沢泰斗)
【特集ページ】阪神・淡路大震災
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