早朝の芦屋公園(兵庫県芦屋市)。慰霊と復興のモニュメントの前で、警備員大原弘一さん(69)=芦屋市竹園町=がじっと目を閉じ、誰よりも長く手を合わせた。27年前、2階建ての自宅兼店舗が全壊。大正時代創業の老舗パン店を営んでいた母まち子さん=当時(65)=は、建物の下敷きになって亡くなった。
弘一さんは、まち子さんと、妻、2人の子どもの5人暮らしだった。地震の約20分前、幼稚園児だった長女を1階のトイレに。その時、化粧をしていたまち子さんに「おはよう」とあいさつし、それが最後に交わした言葉になった。
午前5時46分。「ドン」と大きな音とともに下から突き上げるような揺れが起きた。2階に戻っていた弘一さんは一瞬死を覚悟。ふと気付けば1階は完全につぶれていた。「これはあかん」。近所の知人に戸を破ってもらい、妻や子ども2人と何とか脱出。だが、まち子さんに声を掛けても返事がなかった。遺体が見つかったのは、3時間以上たった後。ほこりを吸った鼻や口の周りが黒ずんでいた。
父は、祖父が創業したパン店を継いだが、震災の約5年前に60歳で病死。その後、まち子さんが店の仕入れや販売を切り盛りした。弘一さんは「母は必死だったと思う。明るく朗らかでおっちょこちょいな面もあり、近所の評判は良かった」と話す。震災とともに店は閉めた。
跡地に家を建て直した後、まち子さんが夢に出てきては、いつも「売るもんが何もない」と話した。店を案じる母の象徴であり、それは数年前まで続いた。
弘一さんは「父は心の支えだったが、母は自分の全てだった。心底悲しかった」と言う。亡くなった母の年齢を超えた今、「死ぬまで働いた両親のように、死ぬまで頑張りたい」と語った。(井川朋宏)
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