■「あいまいな喪失」という概念 苦しい状況を責めないで
連載「母はどこへ」では、阪神・淡路大震災で母親が行方不明になったままの佐藤悦子さん(58)の苦悩を伝えてきた。母の遺体も遺骨も見つからず、解決しない悲しみにどう向き合えばいいのか。苦しみの中で、佐藤さんが出合ったのが「あいまいな喪失」という概念だ。米国で唱えられ、日本では津波で多くの人が行方不明となった東日本大震災で注目されるようになった。どのような考え方なのか、現場で心理ケアに取り組む龍谷大学短期大学部の黒川雅代子教授(社会福祉学)に聞いた。(論説委員・小林由佳)
-「あいまいな喪失」はどのようにして生まれたのですか。
「米ミネソタ大学のポーリン・ボス名誉教授が、ベトナム戦争で行方不明になった兵士の家族に心理療法を手掛ける中で、理論化したものです。肉親が見つからず、もやもやした気持ちを抱えながらも、その人が本来持つ心の回復力を高め、より良く生きることを支援するのが目的です」
「あいまいな喪失は二つのタイプに分けられます。一つは『さよならのない別れ』。阪神・淡路で母親が行方不明になった佐藤悦子さんのように、現実には(母は)いないが、心の中に存在する状態をいう。もう一つは『別れのないさよなら』。災害で変わり果てた故郷になじめないなど、そのものはあるのに失われたように感じる状態を指します」
-死別による喪失感とは違うのでしょうか。
「家族が行方不明の場合、死が不確実なため、悲嘆の反応がより複雑になると言われます。東日本の被災地でも、生きているかもしれない人の葬儀や墓の建立に罪悪感を持つ人や、遺体や遺骨を見つけられないことに対して自分を責める人がいました」
-もし、自分があいまいな喪失を抱えたらどうすればいいのでしょう。
「誰でも説明がつかない気持ちを抱え続けるのはつらいものです。そんなときに、苦しい状況を『これはあいまいな喪失なんだ』と位置づけ、客観視してみる。言い換えれば、いったん棚上げするのです。前に進めない自分や周囲の人たちを、どうか責めないでほしい」
「私たちはつい、『AかBか』と選択して物事を解決したくなる。しかし、決着をつけずに『AでもありBでもある』と考えることが大事。例えば、行方不明の家族を忘れないでいることと、自分の人生を豊かなものにすることは両立できる。それは死別の遺族も同じで、長い年月を経ても消えない悲しみを抱える人がいます。巡り来る『1・17』は、犠牲者に加え、そういう人たちにも思いを寄せる日にしたい」
【連載】
(上)遺体も遺骨も見つからず
(中)「会えなかった」姉と悔し涙
(下)今も心にいるのに…
【特集ページ】阪神・淡路大震災
-
神戸

-
神戸

-
教育

-
地方行政

-

-
東播三田北播丹波

-
阪神

-
阪神

-

-
未来を変える

-
但馬

-
阪神

-
姫路

-

-

-
失われた事件記録

-
神戸社会連載まとめ読み

-
教育

-

-
ウクライナ侵攻

-
スポーツ神戸#インスタ

-
地方行政

-
山口組分裂騒動

-

-
教育神戸

-

-
新型コロナ

-

-
神戸教育

-

-
神戸社会連載まとめ読み

-
神戸三宮再整備スクープラボ

-
但馬

-
但馬

-
姫路地方行政

-
教育姫路

-
西播姫路文化

-
地方行政

-
但馬防災

-
神戸

-
地方行政神戸

-
地方行政

-
選挙

-
神戸

-
西播選挙

-
神戸山口組分裂騒動

-
神戸

-

-
文化

-

-
東播

-
神戸

-
スポーツサッカー

-
但馬

-
但馬

-

-
但馬

-
明石

-
阪神

-
神戸

-
姫路#インスタ

-

-
阪神

-
阪神

-
医療生老病支

-
選挙

-
選挙

-
神戸

-

-

-
神戸

-
姫路

-
姫路

-
医療

-
姫路医療

-
西播神戸

-
神戸

-
スポーツ阪神

-
姫路

-

-
社会連載まとめ読み

-
阪神

-
地方行政新型コロナ

-
神戸防災

-
神戸文化

-
医療

-
阪神

-
スポーツヴィッセル

-
阪神

-
神戸

-
神戸

-
神戸

-
神戸

-
神戸

-
神戸

-
教育

-

-
社会連載まとめ読み

-
姫路選挙

-
医療














































































































