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カラフルな手作り表札。背景は仮設住宅の生活を伝えるジオラマ
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カラフルな手作り表札。背景は仮設住宅の生活を伝えるジオラマ
仮設住宅でボランティアによって配られた手作りの表札。かまぼこの板や家具の廃材で作られている(撮影・坂井萌香)
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仮設住宅でボランティアによって配られた手作りの表札。かまぼこの板や家具の廃材で作られている(撮影・坂井萌香)

 花や生き物が描かれた色とりどりの板は、かつて仮の住まいを彩った。

 阪神・淡路大震災の被災地・兵庫県西宮市の仮設住宅で配られた表札だ。17枚が保管されている。地元のボランティアが「仮設は灰色のマッチ箱のよう。住む人たちに潤いを与えたい」と知恵を絞り、家具の端材やかまぼこ板で手作りした。

 中心になったのは「西宮地域助け合いネットワーク」メンバーの長岡照子さん(95)=神戸市。材料を集めて、色を塗ったり、雪だるまや果物のイラストを描いたりしてオリジナルの表札を作り続けた。

 自身も、当時住んでいた西宮市の自宅で被災した。本棚の下敷きになり、足を引きずる後遺症があったが、自転車に乗って自ら表札を届けて回ったという。

 震災の約1年後から半年の間に、市内5、6カ所の仮設住宅で配った。同時に炊き出しや交流会も開き、そこでも手作り表札を多くの人に渡した。

 「ボランティアとして一番大切なのは、人と触れ合うこと」と同ネットワークを立ち上げた牧野史子さん(67)。「長岡さんは、表札の手作りを通じてそれを実現していたんだと思います」(坂井萌香)

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 震災の教訓を伝える人と防災未来センターが今春、開設20年を迎える。あの日の記憶を収蔵庫で見詰めた。

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