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27年前の水が入ったポリタンク、ペットボトル、ビール瓶
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27年前の水が入ったポリタンク、ペットボトル、ビール瓶

 火を消そうにも、消火栓からは一滴の水も出ない。病院の貯水タンクはひび割れ、治療に水を使えない。最大震度7の揺れで、ライフラインは壊滅した。

 阪神・淡路大震災による兵庫県内の断水は約126万6千戸に上った。神戸市内では全戸が復旧するまで約3カ月かかった。

 飲料や調理、風呂、トイレ、洗濯。何をするにも水は欠かせない。被災者は、川や破損した水道管、井戸などを探し歩いた。

 1995年当時、リサイクルの取り組みは本格化する前。ペットボトルは今ほど普及していなかった。

 キリンビール京都工場は水をビール瓶に詰め、無印の王冠で栓をし、トラックやJR西日本の特別列車で被災地へ届けた。

 やがて県外から給水車などの応援が来るようになった。水を入れて運ぶための灯油用ポリタンクが、どんどん売れた。大人の男性でもずっしりと重い水入りタンク。多くの人がそれを手に、自宅や避難先と給水場所とを何度も往復した。

 人と防災未来センターの収蔵庫で保管されているポリタンクやペットボトル、ビール瓶には、そんな思い出が27年前の水とともに詰まっている。(長嶺麻子)

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 震災の教訓を伝える人と防災未来センターが今春、開設20年を迎える。あの日の記憶を収蔵庫で見詰めた。

震災27年
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