阪神・淡路大震災で身体に障害を負った被災者と、東日本大震災の東京電力福島第1原発事故から逃れた県外避難者の交流会が9日、神戸市中央区の市勤労会館であった。いずれも正確な人数が分からない「忘れられた存在」。お互いの、そして苦悩を抱える誰かのヒントになることを願い、経験や現状を伝え合った。(堀内達成)
両者の存在を知ってもらおうと、ボランティア団体「よろず相談室」(神戸市)と、NPO法人「災害とくらしの相談室iroiro(イロイロ)」(大阪府茨木市)が初めて開いた。
神戸市灘区で被災した城戸洋子さん(41)=同市北区=は頭がピアノの下敷きになった。病院に運び込まれた時、医師は「3%の命」と告げたが、奇跡的に回復した。だが、そこからが闘いだった。
母の美智子さん(69)は「病室からすぐに出て行ってしまう、いつまでも歯を磨いている、お風呂で体が洗えない。『どうなってるの?』と混乱した」と振り返った。洋子さんは高次脳機能障害で物事の段取りができないなどの症状があり、知的、精神、身体障害の手帳を持つ。
新聞などで相談窓口を探したが見つからない。震災後の地方選挙では、犠牲者を悼む気持ちやまちの復興、高齢被災者への支援は語られても、震災障害者は触れられない。
「震災障害者が忘れられている」という憤りを原動力に、こういった場で声を上げるようになったという美智子さんは、27年を経た現状を「長い道のりだったが、周囲の助けで乗り越えて充実した日々を暮らしている」と話した。
一方、震災で両足をタンスに挟まれたまま18時間生き埋めになった甲斐研太郎さん(73)=同市北区=は計8回の手術、リハビリを経て、なんとか装具なしで歩けるようになった。
「生まれつきの楽天家。障害のことは良い意味で開き直ったから前向きに生きてこられた」といい、「東日本大震災は発生からまだ10年ほどで、先は長い。国や自治体は被災者が希望を持てる施策を考えてほしい」と訴えた。
◇
放射線を避け、福島県郡山市から大阪府茨木市に、息子2人と避難している熊田朋香さん(46)は、夏場でも長袖、長ズボンで過ごし、自由に外で遊べない子どもたちの姿に「半ば強引に避難を決めた」という。
罪悪感や、夫からもなかなか理解されない状況にも苦しんだ。だが、東日本から10年がたち、息子たちの成長を見ながら「選択は間違っていなかった」と思う機会も増えたという。
◇
兵庫県と神戸市の調査によると、阪神・淡路の震災障害者は少なくとも349人。だが、よろず相談室は「神戸市だけでも2千人以上」と推定する。県外避難者も、イロイロは「関西に約3千人」とみるが、いずれも正確な人数は不明だ。同室の牧秀一さん(71)は「まず人数を知ることで支援ができる。震災障害者の実態把握に向けて国に働き掛けを続ける」とした。
【特集ページ】阪神・淡路大震災
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