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接戦を制し、花束を掲げて喜ぶ日本維新の会の市村浩一郎氏=宝塚市逆瀬川2(撮影・中西幸大)
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接戦を制し、花束を掲げて喜ぶ日本維新の会の市村浩一郎氏=宝塚市逆瀬川2(撮影・中西幸大)
比例復活での返り咲きを決め、花束を受け取る三木圭恵氏=西宮市甲子園二番町(撮影・大田将之)
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比例復活での返り咲きを決め、花束を受け取る三木圭恵氏=西宮市甲子園二番町(撮影・大田将之)
拳を突き上げて喜びをかみしめる遠藤良太氏=三田市中央町(撮影・土井秀人)
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拳を突き上げて喜びをかみしめる遠藤良太氏=三田市中央町(撮影・土井秀人)

 風の勢いは兵庫にも広がった。岸田政権への対決姿勢を鮮明にし、大阪に次ぐ「第2の牙城」の兵庫で、自民党前職が立つ9選挙区に9人を擁立した日本維新の会。小選挙区で6区の市村浩一郎氏(57)が接戦を制し、他選挙区の8人全員が比例復活を果たした。吉村洋文大阪府知事の人気を追い風に、自公長期政権に不満を持つ有権者の受け皿になり、県内の一大勢力へと躍進した。(三島大一郎、霍見真一郎)

 維新の県内地方議員は、神戸・阪神間を中心に約50人に上る。7月の県知事選では、自民と相乗りではあったものの、推薦した斎藤元彦知事が初当選した。国政選挙は2012年衆院選(旧日本維新の会)で県内の新人3人が比例復活するなどしたが、現在、国会議員は参院議員3人だけだ。

 今回衆院選は公明党が候補者を立てた2、8区と、西村康稔前経済再生・コロナ担当相が7選を目指した9区以外で候補者を擁立。コロナ対応で注目された吉村知事の人気に乗り、比例票の掘り起こしを図った。

 長く自公の補完勢力とされてきた維新だが、代表の松井一郎大阪市長と蜜月だった菅義偉前首相の退陣を受けて一転。松井市長と吉村知事は岸田政権への批判を繰り返し、保守票の取り込みを狙った。

 公示直後に吉村氏を初めて西播磨地域に投入。吉村知事が街頭に立つと、黒山の人だかりができた。

 最終日に吉村知事の応援を受けた6区の市村氏は自民、立民候補との三つどもえの激戦を制し、「兵庫でも維新を受け入れてもらえていることが分かった」と手応えを振り返った。

 1区の一谷勇一郎氏(46)、3区の和田有一朗氏(57)、4区の赤木正幸氏(46)、5区の遠藤良太氏(36)、7区の三木圭恵氏(55)、10区の掘井健智氏(54)、11区の住吉寛紀氏(36)、12区の池畑浩太朗氏(47)も知名度や実績のある大物と善戦を展開した。

 「厳しい戦いだったが、皆さんの思いで復活当選できた」と赤木氏。遠藤氏は「若さに期待してもらえた。しがらみのない政治を貫きたい」と力強く語り、掘井氏は「東播磨からも改革の火種をつくっていきたい」と決意を新たにした。

 兵庫での広がりに、吉村知事は「まだ不十分なこともあるが、大阪でやっている改革、実績が少しずつ浸透している」と述べた。

 全国政党化へと弾みをつけた維新。ただ、吉村知事の人気頼みで、今後も支持を安定させられるかどうかは不透明だ。さらなる党勢拡大に向け、県内の首長選にも照準を合わせるが、衆院選と同日となった神戸市長選には独自候補を立てることができなかった。

 党本部の幹部は「今回の衆院選はあくまでファーストステップ。控える参院選や統一地方選に向け、兵庫での組織力を高める必要がある」と気を引き締めた。

【特集ページ】衆院選2021

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