神戸市長選(10日告示、24日投開票の予定)が迫る。40年以上続いた市役所出身の市長から転換し、2期8年に及ぶ久元市政は、150万人都市に何をもたらしたのか。神戸が抱える課題から検証する。
◆
■国とのパイプ駆使、誤算も
新型コロナウイルス収束の切り札とされるワクチン接種で、神戸市は7月初旬、窮地に立たされた。
国からワクチンの供給が滞り、市内全会場で新規予約を停止。いち早く「1日2万回接種」という全国随一の態勢を整えたが、それが皮肉にも、10万人以上という全国最大規模の予約キャンセルにつながった。
「大変無念。全く想定外だ」。普段は表情を崩さない市長久元喜造(67)も会見で悔しさをにじませ、痛烈に国を批判した。「(接種の停滞を)自治体のせいにする国の態度は理解できない」
4月下旬、首相菅義偉は7月末までの高齢者接種完了を打ち出した。しかし、政府がワクチン供給の全体計画を示すことはなく、各市町が態勢を拡充すると供給不足に。一転してブレーキに変わり、自治体からは不満がくすぶり始めた。
「現場はどういう状況になっているのですか」
キャンセル発表と同じくして、久元の元に菅から電話が入った。第1次安倍内閣で総務相だった菅を省幹部として支えた旧知の仲。内閣支持率の浮揚を左右するワクチン接種の停滞を案じ、自ら探りを入れてきた。
苦境に立つ菅に現状を伝えた久元は、経済再生担当相西村康稔や古巣の総務省だけでなく、内閣府などの幹部にも連絡し、ワクチン確保を要請。菅の意向が働いたかは不明だが、約1カ月後の接種再開では全国最多の配分量がもたらされた。
◇
コロナ禍では、現場の首長らの対応力が問われ、注目を集めた。
神戸は早くから変異株の独自検査を行い、全国で初めて重症者専用の臨時病棟を建設。政府がワクチン接種の大規模会場を東京、大阪に設けた翌日には、同様の会場を独自に開設した。
総務省の基幹を担う自治行政局長に上り詰め、官僚トップの事務次官候補の一人ともされた久元。国の動きを察知し、次の一手を見据えることができるのは、気脈を通じる政権中枢の人脈によるところが大きい。
独自の大規模接種会場の設置では、国の費用負担が決まる前に開設を発表。すると2日後、総務省から「必要経費を教えてほしい」と市に連絡が入った。
久元の就任以前、1969年から44年にわたった役所生え抜き市長の市政運営を知る幹部は言う。「国との距離が近くなり、太いパイプができた」
◇
コロナの感染拡大が本格化した2020年度、市が対策に費やした総額は1836億円。10万円の特別定額給付金が8割以上を占め、そのほか医療機関の支援などにも充てた。
これらの財源は国の支援で賄うが、企業業績の悪化で市税収入は減り、中小企業の事業継続支援など独自の対策が市財政を圧迫。財源不足に備えて積み立てた財政調整基金(約115億円)から約30億円を取り崩す必要に迫られた。
一方、コロナ対応を最優先にする久元は、神戸商工会議所が求める「収束後にスタートダッシュできる新たな経済支援」に応じる姿勢を見せる。三宮で本格化する都市開発もアクセルを緩める気配はない。
限られた財源で市民の命をどう守り、収束後を見据えた投資をいかに両立させるか。市財政の足元はぐらつきつつある。
=敬称略=
(三島大一郎)
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