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1月17日、保護者が見守る中で震災についての思いを発表する児童=西灘小
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1月17日、保護者が見守る中で震災についての思いを発表する児童=西灘小

 1995年1月17日の阪神・淡路大震災で、神戸市立西灘小学校(同市灘区)5年の浅井亜希子さん=当時(11)=が亡くなった。「アッコちゃん」と呼ばれて慕われた少女のこと、そして震災のこと。同小の5年生たちが授業で学んでいく様子を、シリーズ「震災って何?」で報告します。

 1月17日。阪神・淡路大震災の発生から丸28年がたった。昨秋から震災学習を続けてきた神戸市立西灘小学校(灘区)の5年生にとっては、これまでと異なる「1・17」になっただろう。

 この日は教室で28年前の映像を見た。倒壊する建物、街を焼き尽くす炎、ぼうぜんと見つめる人々…。

 学習の目標は「災害に備えて私たちにできることを考えよう」。1組担任の中村功児先生(39)は、今後30年で震度6弱以上に遭う確率を色分けした日本地図を見せた。太平洋側で紫色が目立つ。最も高い「26%以上」の色だ。さらに、1990年以降で10人以上が亡くなった九つの地震を示した。

 先生が「地震って予測できる?」と聞く。子どもたちは「地面や地中を見たら予想が付く」「完全に予測できたら大騒ぎになっている」などと言う。予測できると思う人。できないと思う人。手を挙げてもらうと「できない」が多かった。

 「現在の科学技術では予測できません」と中村先生。「神戸も昔は地震が来ない街といわれていた。なのに、来たんですよ」

 9年前の神戸新聞をみなで読む。震災で9割以上が全半壊した芦屋市のある地区でのアンケート。「震災の記憶が伝えられている」との回答は38%にとどまっていた。先生は「私たちにできることは何だろうか」と語りかけた。四方栞名(しかたかんな)さん(10)は心に決めた。「風化を防ぐために、自分たちがちゃんと勉強して伝えていかないと」

【バックナンバー】
(8)発表 防災マップ危険箇所は?
(7)目線 引率は大学生一緒に学ぶ
(6)校区 備えと危険歩いて把握
(5)検索 こんな火事、想像できない
(4) 命  娘の声が聞こえる気がした
(3)朗読 母娘2人でふたつの命支えた
(2)日常 生きてたら、友達になりたい
(1)時計 同じ学校、同い年の子死んじゃった

震災28年U28震災後世代アッコちゃんの授業神戸
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