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森温泉の立花隆さん(左)と、銭湯ライブを催す「サーカスフォーカス」のリトルビーさん=神戸市東灘区森南町1
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森温泉の立花隆さん(左)と、銭湯ライブを催す「サーカスフォーカス」のリトルビーさん=神戸市東灘区森南町1

 阪神・淡路大震災で全壊したが、2カ月後に臨時営業の形で再開した神戸市東灘区森南町1の銭湯「森温泉」で15日、同区出身の男性ら2人による音楽デュオ「サーカスフォーカス」が、「神戸市銭湯ライブ~震災から27年目の銭湯~」を催す。被災者の心身を支えた神戸の銭湯が減っていく中、震災を思って作った音楽などで応援する。(金 慶順)

 JR甲南山手駅のそばにあり、1961年に開業した森温泉。95年1月の震災で全壊したが、同年3月には、がれきから掘り出したバスタブをブルーシートで囲って営業を再開した。その後、プレハブでの仮設営業を経て、2005年に全面改修を果たす。創業者の立花武さんは14年に81歳で亡くなったが、17年、東遊園地にある「慰霊と復興のモニュメント」にその名前が刻まれた。

 銭湯を継いだ長男の隆さん(60)は21年、市浴場組合連合会の会長に就任。加盟する市内の浴場は震災前は229軒だったが、同年12月現在で32軒まで減った。苦境の銭湯を応援するため、同年3月に「市銭湯アンバサダー」に任命されたのが、サーカスフォーカスだ。同市灘区在住のリトルビーさん(40)、イチさん(36)の2人組。銭湯好きで、湯につかりながら打ち合わせすることも多い。

 イチさんは東灘区出身で、震災当時9歳だった。自宅マンションが全壊し、近くの小学校でテントを張って避難生活を送った。ある日、校庭に仮設の風呂ができた。「とにかく温かかった」。風呂は、避難者たちの心身を温める存在だったと振り返る。

 コロナ禍でPR活動もままならない中、2人は市内の銭湯を巡り、経営者らから被災者との結びつきを聞いた。昨年11月に森温泉ロビーで初めての銭湯ライブを開いたが、「震災を伝え残したい」という思いから、2度目は1月17日直前に企画。震災を思って作った楽曲「あの日」を歌い、売り上げの一部は「1・17希望の灯(あか)り」の活動に寄付する予定だ。

 「銭湯ライブなんて、おやじは驚くやろな」と隆さん。「若い人が震災を考え、銭湯に足を運ぶきっかけになれば」と話した。

 ライブは正午開演。大人3千円、小学生千円、未就学児500円で、市内銭湯(一部除く)共通入浴券と、賛同した応援店の500円割引券が付く。定員40人程度で、予約はサーカスフォーカスの公式サイトなどから。

【特集ページ】阪神・淡路大震災

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