神戸新聞社と甲南大はこのほど、人口減や少子高齢化など地域社会の課題解決を目指し、包括的な連携協定を結んだ。大学が持つ知的成果と新聞社が持つ情報発信力を融合させることで、神戸が持つ地域力をどのように強化できるのか、期待が集まる。協定の締結を記念したシンポジウムがこのほど、神戸市内で開かれた。テーマは「神戸からの発信 多様性をいかした地域創生~大学と新聞社ができること」。神戸らしさをどのように地域の活力に結び付けていけばいいのか、連携協定を成功させるためにどのような心構えが必要か、などを語り合った。
▼基調講演「神戸を彩る~ファッションは生き方~」 神戸ファッションウィーク実行委員長、「ぜんまい」代表取締役 高田 恵太郎氏
◇大好きな街“装い”で元気に◇
高校生の時にファッションに目覚め、服を買うために大阪から神戸へ頻繁に通っていた。甲南大に入学してからは、体育会の少林寺拳法部に入ったため、ほとんど学ランで生活していた。卒業後、憧れていた「VANヂャケット」に入社したものの、倒産を経験。その後は会社を変わり、十数年間はスポーツウエアを作っていた。
あるとき、六甲アイランドに計画されていた「神戸ファッションマート」のプロジェクト担当になった。無事立ち上げたものの、阪神・淡路大震災で構想はダメージを受けた。そのとき、大好きな神戸のために何かできないか、と「神戸コレクション」の開催を思いついた。
パリやミラノのコレクションは業界向けのショー。そこで「一般の人がすぐに着られる服を楽しめるショーにできないか」と考えた。今年で13年目を迎えるが、来場者の95%が女性で、毎年1万3000人が神戸の会場にやってくる。
コレクションに合わせて、来場者に神戸の街で食事や買い物を楽しんでもらうため「神戸ファッションウィーク」のイベントも行っている。神戸の洋服店や飲食店の情報を載せた小冊子を作り、8万部を発行。期間中にはミュージックキャラバンやミニファッションショー、船上ヨガなども行っている。
今後は播州織や真珠、帽子など兵庫、神戸の地場産業と連携し、新しい商品も開発していきたいし、神戸のファッション企業と連動しながら、海外進出を一緒にできないかと考えている。
2017年1月には神戸開港150周年を迎える。神戸は明治の開港とともに洋風文化を取り入れ、発信してきた。「もう一度、神戸から新しい生き方を発信していきたい」と現在は大人のためのファッションパーティーのプロデュースを考えている。大人のライフスタイルを刷新し、神戸を「大人が着飾って遊べる街」にしたい。大好きな神戸の街が元気になって盛り上がればいいなと思っている。
▽たかだ・けいたろう 1950年大阪市生まれ。甲南大卒業後、VANヂャケット入社。企画会社、スポーツメーカーを経て、神戸ファッションマートプロジェクトに参加。神戸コレクション制作委員会エグゼクティブプロデューサー、神戸ファッション協会評議員などを務める。
〈甲南大学〉甲南大学長 長坂 悦敬氏 メディア連携の第一歩
国際文化都市・神戸で人物教育を続けてきた甲南学園は2019年、創立100周年を迎える。本年度の新入生2200人の7割、約1500人が兵庫県出身。また、帝国データバンクによると、兵庫県で活躍する甲南大出身の社長は900人で、県内の大学で1位になっている。本学は神戸市とも包括協定を結び、今回は神戸新聞社と連携協定を結ぶことができた。この地に根差し、関係を強化し、融合し、神戸の発展とともに進化していけるよう、大学とメディアが一緒になって地域をどのように活性化していけばいいのかについて、皆さんに意見をいただきながら前に進んでいきたい。きょうがまさにそのスタートだ。
□1951年創立。大学院4研究科、1専門職大学院、8学部を擁する私立総合大学。2019年に学園創設100周年を迎える。「人格の修養」「健康の増進」「個性の尊重」「天賦の特性の啓発」などの教育方針に基づき、人物教育に取り組む。2011年に地域連携センター(KOREC)が発足し、地域と大学との連携を推進している。
〈神戸新聞社〉神戸新聞社代表取締役社長 高士 薫氏 手を携えて課題解決へ
新聞社は報道を通じて地域の課題を「指摘」する使命があるが、そうした課題の「解決」についても地域の方々と一緒に汗を流していくべきだと考えた。そのときに必要なのが大学の「知」だ。今回、甲南大と連携することで、課題の解決に手を携えて進むことができるようになると考えている。また、学生の皆さんがグローバルに活躍していくためには故郷をしっかり愛するローカル性を備えていなければならない。神戸新聞社が学生に地元の話を提供することで、地域を理解し、好きになって卒業してもらいたいと考えている。そして、新聞を読みこなす習慣と、速やかに読むスキルとを身に付けて巣立ってほしいと思う。
□1898年創刊。米騒動で焼き打ちに遭い、神戸大空襲では全焼、阪神・淡路大震災では全壊の被害を受けたが、休むことなく発行を続けた。現在の発行部数は約52万部。2015年3月、「もっといっしょに」を基本理念にした「地域パートナー宣言」を発表し、パートナーセンターを開設。地域の大学、企業、自治体などと連携し、地域の課題に対して、ともに考え、発信する取り組みに力を入れている。
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