エッセー・評論

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 京都は観光都市といわれるが、それ以上に、電機製品、精密機械、測定機器などの先端技術から日々の用具や伝統の工芸品をつくる手工業まで、いわゆる内陸型の工業都市である。京都で生まれ育ったわたしは、身近なところにそうした工場や工房がひしめくようにあったので、逆にこれまであらためて「ものづくり」について考えることはなかった。

 「ものづくり」といえば手仕事、手仕事といえば熟練、熟練といえば「匠(たくみ)」の腕…。そのような「わざ」(技と術)を繋(つな)ぎ糸としたイメージの連鎖がある。そして「匠」がつくるものについては、くり返しに耐え長持ちする(堅牢(けんろう))、使いやすい(簡便)、無駄がない(正確)などといった特性がまずは問われる。「用」にかなう「形」がぎりぎりまで突きつめられているか、というふうに。

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2016/1/28
 

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