
ある晩のまかない。レモンチキン、鶏肝のしょうゆ煮、いわしのマリネ(真喜子さん作)など
北九州に行って、帰ってきたら、桜が満開になっていました。出かける前には枯れ木の方が多かったのに、いつの間にやら若葉も増え、ひと晩眠るごとにぐんぐん。きのうは、あまり上手ではないけれど、山の方からウグイスの囀(さえず)りが聞こえてきました。春は早いなあ。私はまだ、そのめまぐるしさに追いついていけません。それはきっと、旅があまりに楽しかったから。
北九州で何をしていたかというと、新しく出た本「帰ってきた 日々ごはん⑬」の3日間にわたるイベントです。装画を描いてくれた友人、山福朱実さんの版画と、ギターの末森樹君の音楽に囲まれてトークをし、料理をこしらえ、お客さんに振る舞ってきました。会場はもと動物病院のギャラリー「オペレーション・テーブル」。そこは、オーナー・真竹真喜子さんの実家で、空色に塗られた大きな壁が目印の、どこかの国のホテルみたいな3階建ての建物。
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