共生の大地へ 没後1年・内橋克人の歩いた道
(6)原発への警鐘 「帰らざる河」渡った末に
シビアアクシデント。原子力発電所が設計時の想定を超えて過酷な状態に陥る事故のことだ。米スリーマイルアイランド原発事故(1979年)、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)、東京電力福島第1原発事故(2011年)が該当する。
内橋克人さんはスリーマイルアイランド事故から3年後の1982(昭和57)年、「週刊現代」で原発をテーマに長期連載を始めた。終生、原発の危険性を指摘し続けたが、その原点となった取材だ。「いわゆる原発賛成派でもなければ、まして反対派でもなかった。どちらからの情報もマル呑(の)み込みせず、自分の目と足と頭で冷静に確かめる、というエネルギーを、原子力発電に対してさし向けた、ただそれだけだった」
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