ひょうご経済プラスTOP 連載一覧 経済コメンテーター 歴史に学ぶ関西経済 <歴史に学ぶ関西経済(12)神戸大経済経営研究所准教授・高槻泰郎氏>加島屋の強みとは 大胆に業態変え生き残る

歴史に学ぶ関西経済

<歴史に学ぶ関西経済(12)神戸大経済経営研究所准教授・高槻泰郎氏>加島屋の強みとは 大胆に業態変え生き残る

2024.04.03
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1863年に日本全国の長者をランク付けした「大日本持丸長者鑑」。右端の最高位に加島屋久右衛門の名前が見える。上位には大坂商人が並ぶが、現在は多くがビジネスの一線から退いている(大阪商工会議所蔵)

1863年に日本全国の長者をランク付けした「大日本持丸長者鑑」。右端の最高位に加島屋久右衛門の名前が見える。上位には大坂商人が並ぶが、現在は多くがビジネスの一線から退いている(大阪商工会議所蔵)

 前回、NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」の時代考証を引き受けたことから、主人公の嫁ぎ先である大坂商家のモデルとなった加島屋(かじまや)(広岡家)の古文書が、思わぬ形で見つかったことを述べた。今回は、それらの古文書から明らかになった加島屋の歴史を紹介したい。

 加島屋は江戸時代、堂島米市場での米取引でチャンスをつかみ、大名相手に金融サービスを提供するビジネスで豪商へと上り詰めた。明治以降も銀行業、保険業に手を広げ、現在の大同生命保険にその命脈がつながっている。

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