歴史に学ぶ関西経済
<歴史に学ぶ関西経済(9)神戸大経済経営研究所准教授・高槻泰朗氏>現代に通じる指南書「八木虎之巻」 相場格言の原点と真意
江戸時代、堂島米市場は国内最大の取引市場であった。これから取引を始めようとしている人、または既に始めている人に向けて、市場の仕組みや専門用語、心構えなどを解説する指南書が、大坂の書肆(しょし)(本屋)から数多く出版されていたことを前回に紹介した。
これらの指南書は、堂島米市場での取引を「実に楽しみのある取引」として紹介している。相場の高下をうまく予想できたならば、巨額の利益を得ることができるからだ。では、どうやって相場の高下を予想するのか-。
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