歴史に学ぶ関西経済
<歴史に学ぶ関西経済(5)神戸大経済経営研究所准教授・高槻泰郎氏>どうする吉宗(中) 世界初の市場を創設したが…
物価は上がる一方なのに賃金は上がらない-。令和の世と同じ課題に取り組んだ8代将軍、徳川吉宗の話を続けたい。
吉宗は、何としても米価を上げたかった。それが苦しむ武士階級を救うことになるからである。前回説明した通り、武士は年貢米を俸禄(ほうろく)として受け取り、現金に換えることで生計を立てていた。米価が下洛することは、賃金の下落を意味したのだ。
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