ひょうご経済プラスTOP 連載一覧 経済コメンテーター 歴史に学ぶ関西経済 <歴史に学ぶ関西経済(11)神戸大経済経営研究所准教授・高槻泰郎氏>民意を積極的に取り入れ 西宮の商人、新市場創設を献策

歴史に学ぶ関西経済

<歴史に学ぶ関西経済(11)神戸大経済経営研究所准教授・高槻泰郎氏>民意を積極的に取り入れ 西宮の商人、新市場創設を献策

2024.02.01
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昭和30年代の西宮郷。酒を造る木おけが見える。西宮の商人が酒造米の取引市場を提案した江戸時代にも、同じような風景があったのだろうか=1958年12月

昭和30年代の西宮郷。酒を造る木おけが見える。西宮の商人が酒造米の取引市場を提案した江戸時代にも、同じような風景があったのだろうか=1958年12月

 前回は江戸時代中期の老中、田沼意次(おきつぐ)を通じて「賄賂」について考えた。今回は、この時代が持つ前向きな面を見ていきたい。

 田沼時代といえば、汚職のイメージがつきまとう。この評価に風穴をあけたのが、姫路出身の歴史学者辻善之助(1877~1955年)が1915(大正4)年に著した「田沼時代」という本であることは、歴史研究者の間でよく知られている。

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