時流を見る眼
<時流を見る眼(14)ジャーナリスト・井上久男氏>CSV経営 社会貢献と本業結び利益に
クロスエフェクトというユニークな会社が京都市にある。竹田正俊社長(49)が2001年に起業。社員数はグループで約40人、売上高は4・5億円の中小企業だが、社会的に意義のあるビジネスを手がけている。その一つが「オーファン医療機器」と言われている分野だ。オーファンは英語で孤児。対象の患者が少なく大きな収益が見込めないため、大企業が対応しない「見捨てられた」分野の医療機器という意味だ。
クロスエフェクトは国立循環器病研究センターと小児向けの「心臓シミュレーター」の共同開発に取り組んでいる。心臓に先天的な疾患のある赤ちゃんの割合は、100人に1人程度と言われている。赤ちゃんの心臓は小さく、手術は難しいが、患者のCTデータから心臓の形を再現した人工心臓を作れば、医師が術前に患部を確認し、手術の計画を綿密に立てられる。
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