六甲台遠望
<六甲台遠望(9)神戸大・橋野知子教授>クリスマス 苦難の人々に安らぎを
街に出ると、クリスマスのイルミネーションが輝く季節となった。神戸大学から最も近くにある教会でも、木に電飾がつけられ、通る人にクリスマスの訪れを知らせてくれている。毎年恒例の風景を無事に見られることに対して、今年は特に深いありがたみを感じる。
さらにこの季節になると、クリスマスケーキやクリスマスにちなんだ豪華なごちそうもテレビで宣伝されている。キリスト教徒でなくとも、クリスマスを祝う。プレゼントを交換する。なんとも不思議な日本の習慣だ。特に美しく甘いケーキは、豊かさの象徴としか言いようがない。集中講義でドイツのトリーア大学を訪れた際に、日本の典型的なクリスマスケーキの画像を学生たちに見てもらったら、「これは何? われわれのクリスマスケーキとは全く違う」と驚かれた。
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