ビジネスマン必読! 指揮者の組織論
(27)人生で後悔していること
今回は、指揮者としてばかりではなく、2人の子どもの親として、そして夫として、これまでの人生の中で後悔していることを書いてみようと思います。
以前にも書きましたが、指揮者は自ら音を出さない、唯一の音楽家です。演奏会では、聴衆に背を向けて(お尻を向けるなんて失礼な姿ですよね)、一見するとかっこよく、演奏者ににらみをきかすように立っているのですから、あらためて考えてみれば奇妙な光景です。演奏者たちに自分の考える音楽を作ってもらうためには、演奏者とのコミュニケーションが大切です。日ごろから、感情に任せて怒鳴ったり、みんなの前で恥をかかせるような言動をとったりすると、演奏者との信頼関係はたちどころに壊れ、いったん壊れた人間関係はもう二度と修復できません。本当に「二度と」です。音楽を職業にしている限りそのしこりは残り続けますし、音楽の世界は狭いので(他の職業でも同じでしょうか?)、その後の音楽活動にも支障をきたします。こう考えてみると、指揮者という職業は、他の職業と似た面が多くありますね。
この記事は会員限定です。新聞購読者は会員登録だけで続きをお読みいただけます。