ひょうご経済プラスTOP 連載一覧 コラム けいざいeyes ビジネスマン必読! 指揮者の組織論 (19)「どうしよう」…「なんとかする」~「なんとかなる」!

ビジネスマン必読! 指揮者の組織論

(19)「どうしよう」…「なんとかする」~「なんとかなる」!

2019.09.25
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 わたしは休日がほとんどなく、あちこちを飛び回っているので、時間が取れたときに家族で温泉に行くのをとても楽しみにしています。わたしが温泉に入ってゆっくりできるということよりも、家族とのんびり過ごせる、もっといえば家族がのんびり過ごすようすを見るのが好きなのです。そんなわけで、毎年、兵庫県北部の城崎温泉に出かけています。志賀直哉の「城崎にて」で知られている、国内屈指の温泉場ですね。私の家族が宿泊する宿はいつも同じです。その旅館で、なんともユニークなポストカードを見つけました。ポストカードそのものをここにご紹介できないのは残念ですが、中央に笑っているおじぞうさまの絵が描かれていて、「なんとかなる」という筆書きの文字が大きく添えられています。この「なんとかなる」という言葉には、さまざまな意味が込まれているように感じます。オーケストラの指揮者であるわたしには、こちらにやさしく微笑みかけているおじぞうさまが、無責任で能天気でよいのだと言っているようには思えないのです。それは、オーケストラでさまざまな奏者とやりとりをしている、わたし自身の経験があるからなのだと思います。

 演奏会を直前に控えた演奏者から聞く言葉に、「どうしよう」、「なんとかする」、「なんとかなる」があります。同じ時期に同じオーケストラの中でこれらの言葉が入り乱れているようでは、すぐれたオーケストラとは言えませんが、演奏会の日程が立て込んでいたりすると、演奏者の日ごろの活動スタイルが如実に言葉に反映するようです。

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