ビジネスマン必読! 指揮者の組織論
(13)「指示待ち」奏者はどうして生まれる?
指揮者は、そのオーケストラの個性をすぐに見極めます。個別のオーケストラの常任指揮者や、中学校や高等学校の吹奏楽部の指導者などは、長期にわたって同じオーケストラに関わりますが、一般に、指揮者とオーケストラのつきあいは短期集中型です。初めて出会って、1~2回のリハーサルで本番を迎えます。音楽全体を確認するような時間をリハーサルに求めることはできません。あらかじめ重要な部分を考えておいて、言葉ではなく指揮棒で求める音楽を示し、奏者は音で理解したことを伝えるという作業がリハーサルです。ですから、オーケストラがどのような個性を持っているのか、つまりどのような奏者の集まりなのかを、素早く的確に判断できなければならないのです。
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