ひょうご経済プラスTOP 連載一覧 コラム けいざいeyes 投資のプロが斬る!これでいいのか日本経済 (12)「株式投資の勧めⅢ」-グローバル企業と国家経済

投資のプロが斬る!これでいいのか日本経済

(12)「株式投資の勧めⅢ」-グローバル企業と国家経済

2019.01.09
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 明けましておめでとうございます。前々回、前回に続き証券会社を営む筆者が株式投資を勧めることは手前味噌で恐縮なのだが、ひとりでも多くの方に資産としての株式の優位性を理解していただきたいので、株式投資の進めⅢを書くことにした。前々回は、経済学者のマルクスやピケティの主張を通して、また前回は企業業績と株主還元を解説して資産としての株式の優位性を論じてみた。そして今回は、経済環境と株式について解説してみようと思う。

 昨年11月、国際通貨基金(IMF)は、日本の国内総生産(GDP)が40年後に今より25%以上減少する可能性があると発表した。主な理由は人口の減少ということであるが、もし人口が25%減少しているならば一人当たりのGDPは変わらないので国民の生活水準にさほど変化はないのかもしれない。しかし、日本国のサイズが四分の三になることを想像すると、あらゆる面で寂しいことになるであろう。振り返ればこの30年余りGDP成長率はプラスマイナスを繰り返し、押し並べて低成長であった。1990年代のバブル崩壊を端緒とする危機的な経済状況や2000年代の超円高局面では、政府による莫大な財政支出によって辛うじてGDPのマイナスを数パーセントに抑えたが、その陰で発生した莫大な借金は年々増え続け、昨今ではGDPの2倍を上回り現在も増加中である。

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