今春、架橋から25年を迎えた明石海峡大橋。実は橋が開通するまで、神戸と淡路島をつなぐ船で人気を集めた自動販売機があった。販売されていたのは、魚のすり身を竹に巻いて焼き上げた「竹ちくわ」。船旅のお供や土産として親しまれた。廃船後、自販機は大半が姿を消したが、今も島内で1台だけが当時の姿のまま現役で稼働している。(中村有沙)
置かれているのは、兵庫県淡路市岩屋にある観光施設「淡路ハイウェイオアシス」の土産物売り場中央付近。年季が入った雰囲気が漂う。
始まりは1990年。同市大磯と神戸市須磨区を結ぶ船で売店を運営していたフードサービスのユーアールエー(淡路市大磯、当時の社名は浦観光)が、竹ちくわ「たけやん」を商品化した。「船上で売っているビールに合うつまみがほしい」という乗客の要望に加え、淡路島や徳島の名産竹ちくわのPRにつなげようと考案した。
販売後、船内の人気商品に育った。当時、船は24時間運航していたが、売店の開店時間は午前7時から午後10時ごろ。「夜中も竹ちくわを買いたい」という声が高まり、同社は電機メーカーと自販機を開発することにした。
売店では、ビニール袋入りで売っていたが、そのままでは自販機の受け取り口に落ちてくる際、衝撃に耐えられない。新たに外装の箱を作るなど約1年半試行錯誤を繰り返し、96年に自販機での販売体制が整った。計10台を用意し、常時運航する船8隻と発着地点の大磯港、須磨港に設置した。
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そんな中、98年に明石海峡大橋が開通。船は役目を終えて廃止になり、自販機はひとまず高速道路のサービスエリア(SA)などに移設された。
しかし、SAで酒類は販売していない。つまみとしての需要が減り、竹ちくわは売れ行きが落ちた。どんどんほかの商品の自販機に置き換えられ、ついに竹ちくわの自販機は東浦バスターミナルの1台だけになった。
「食品を売る自販機は多いが、竹ちくわはうちだけで世界唯一」と同社。もっと多くの人に楽しんでもらいたいと、架橋20周年を迎えた2018年、淡路ハイウェイオアシスへ移した。
淡路島の玄関口である同施設は観光客も多く、東浦バスターミナル時代と比べて売上は2倍に伸びた。
一方で、自販機の寿命は10年程度とされる。竹ちくわの自販機は今年で27年。老朽化が懸念される。
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現在、12個あるボタンのうち、押して商品が出てくるのは2個のみ。ほかは故障して使えない。同社広報担当の立谷一磨さん(61)は「オアシスに移設した時は、5個以上押せていたはずだが…。この5年でさらに老朽化が進んだ」。
自販機が古いため部品がそろわず、修理ができないという。「今ある二つのボタンが使えなくなれば終わり」と立谷さん。同社で新たに自販機を製造するかどうかは未定だという。
これまで同社が販売した竹ちくわは約359万5千本、使われたすり身の量は約210トンに上る。
立谷さんは自販機ができた当時からの同社社員。これまでの変遷を見てきた。「この自販機は、大橋ができる前の歴史を感じられる貴重な物」と感じる。
「正直、来年どうなっているかも分からない。なくなるのは寂しいので、一日でも長く動き続けてほしい」。祈るように思いを寄せる。

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