神戸を舞台にした映画の話をまたひとつ。神戸をめぐる映画は戦前からたくさん作られてきましたが、神戸市制100年を記念した作品も製作されました。それはいつだったかと言えば、平成元年、1989年のことで、バブル経済真っ盛りの日本中がつかの間の消費熱、投資熱に浮かされていた頃です。
その神戸市制100年記念映画ははたして何だったのか、もはや忘れている方も多いことでしょうが、なんと宮本輝原作の角川映画「花の降る午後」でした。大阪で生まれ、芦屋市で育った大森一樹監督が脚本と演出を担当。亡き夫が営んでいた神戸のフランス料理店を引き継いだ30代後半の女性オーナーに古手川祐子、彼女と恋仲になるひとまわり若い画家のタマゴに高嶋政宏、彼女の店を乗っ取ろうと執念を燃やす謎の女に桜田淳子が扮(ふん)して好演しています。
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