『自分疲れ』という本の表紙や挿絵を、最近描いた。この本は「あいだで考える」というシリーズの一冊で、「ココロとカラダのあいだ」という副題になっている。シリーズの他の本は「いのちと価値のあいだ」とか「被害と加害のあいだ」といった感じで、白黒つけにくいテーマについて考えるものが多い。分かりやすい答えや成果を急ぎ、色(いろ)んな面での曖昧さが軽んじられている世間のムードに反していて面白そうだったのもあって引き受けた。
例えば自分は、強い人間か弱い人間かどちらだろうか。軽率か慎重か。素直か天邪鬼か。ほとんどの人は色んなことにおいて中途半端な「あいだ」に生きている。中途半端さを四捨五入しないでそのまま捉えることは、実は何を思考する上でも重要なことだと思う。
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