コロナ禍で「かかりつけ医」という言葉が有名になった。しかし「発熱したらかかりつけ医に相談を」と言われたので電話したが診療を拒否された、という苦情もよく聞く。そもそも、国は「かかりつけ医とはなにか」という議論を続けているが明確な結論は出ていない。日本医師会は「なんでも相談できて」「必要な時には適切な医療機関を紹介してくれる医者」と定義しているが漠然としていないか。最近では「かかりつけ医は一人か?」という命題への回答は、「複数でもいい」となっているので、ますます分からない。
以前からある家庭医、総合医、プライマリーケア医などの言葉とほぼ同義と考えている。私自身は、医学部に入学したその日から45年間、かかりつけ医を目指して精進してきた。大学時代は、無医地区活動に熱中し、日野原重明先生(故人)の著書を読み漁(あさ)り講演にも来て頂いた。
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