「気」という言葉は、心理学にも深く関わる。辞書をひもとくと、「息。呼吸」「意識」「物事に反応する心の働き」「精神の傾向。気質」などと説明されており、じつに多彩な意味合いだ(小学館デジタル大辞泉)。元気、勇気、気分、気性などの熟語や、気が重い、気が多い、気が済む、気を許す、気を付けるなどの慣用句も無数にある。
古語としての起源をさかのぼってみよう。人の表情や心の機嫌を表す「けしき」(気色)は、平安時代初期の『竹取物語』や『土佐日記』に現れるという。あるいは、物腰を意味する「けはひ」(気配)は『源氏物語』にしばしば出てくるらしい(学研全訳古語辞典)。
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