私ごとで恐縮だが、来年の4月より新国立劇場オペラ研修所長を務める事になった。この研修所は若手のオペラ歌手を育成する機関で、ここを出た研修生達は殆(ほとん)どが海外のオペラハウスでの活躍を目指す。研修生になるには厳しい試験があり、合格するのは毎年5人ほどだ。以前は「文化庁オペラ研修所」と名乗っていたが、新国立劇場の開場とともにその傘下となった。当然の事ながら新国立劇場への出演も期待される。
所長職が始まるのはまだ先なのだが仕事は既に始まっていて、その中心を成すのは「プログラミング」だ。どのような授業を組み立て実施するか、その講師は誰にお願いするのか、どのような演目を上演するのか、そしてその指揮者、演出家は誰にするのか等。講師陣は日本人だけに留(とど)まらず、外国人である事も多い。
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