昨年の4月から神戸市混声合唱団音楽監督の大役を仰せつかっている。どうして僕にこの役目が巡って来たのだろう?
我々(われわれ)の合唱団は三十余年にわたり合唱音楽を通し、神戸市民のために貢献してきている。合唱が盛んな日本にあってもプロの合唱団は珍しく、数えるほどしかない。36人の歌手と4人のピアニストからなる団員は、皆が音楽大学を卒業し、厳しいオーディションを勝ち抜いて残った精鋭ばかり。一人一人がソリストとしても活躍し、オペラの世界では有名な団員もいる。そんな人達が声を合わせるわけだから、素晴らしくないわけがない。繊細なハーモニーから迫力のサウンドまで、ダイナミックな演奏に長(た)けている。そしてアマチュアでは考えられないレパートリーの広さ。時には数カ国の言語を駆使しながら演奏する事もある。
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