先日、札幌で生涯学習センターのボランティア(以下、ボラ)団体設立20周年の記念講演を担当した。僕の人生は、音訳・点訳など、さまざまなボラに支えられている。ボラのおかげで今日の僕があるといっても過言ではない。まさに、僕にとってボラは「様様」(さまざま=さまさま)なのだ。
ボラの特徴を示すキーワードは「分かち合う・結び付ける・創り出す」。昨今、僕は各地の博物館ボラの研修に関わる機会が多い。博物館では来館者とボラが展示を楽しむという目標を分かち合う。僕のような全盲者は単独で観覧するのが難しいが、ボラは僕たちと博物館を結び付ける手助けをしてくれる。そんな活動は単なる障害者支援ではなく、視覚以外の感覚を用いて、博物館の新たな魅力を創り出しているともいえる。ボラとの交流を通し、僕は「分・結・創」の大切さを実感している。
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