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 プロになる夢の話ではない。本番近くになると現れる、見たくもない夢。なぜか歌を歌わなければならなくなった、チェロの弦が3本しかない、階段が長くてステージに行き着かない等々…典型的小心と言うべきか。「夢のように」良い指遣いを思いつくこともあるが、そんなものは思い出せないか、まるで役に立たない。しかし人生、時には夢よりすごい経験をすることもある。

 シャンソン「枯葉」や「さくらんぼの実る頃」で知られた故コラ・ヴォケールが初来日した時、伴奏はピアノと私のチェロのみ、しかしチェロ用パートのないことが前日に判明した。適宜バスや対旋律等を即興しながら、熟年の客が皆知っている曲をTV、FM、レコード録音付きで弾く…本番後、鏡の中の自分を覗(のぞ)きこんだものだ。

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2021/9/28
 

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