これまで暮らした先々で待ち合わせに悩まされてきた。場所はともかく時間感覚においてだ。現在暮らす東京でも不思議な体験をした。江戸三大祭の一つ、山王祭関連の仕事で氏子と打ち合わせした時のこと。事前アドバイスによると「約束時間に行っても遅い。20分前には皆そろい、時間には解散している」。半信半疑で早めに行くと、既に全員が集合、約束時間には本当に終わってしまった!
パリでカメルーン人の友人とランチの約束をした。30年近くドイツやフランスに住み、現代美術家として活躍している。欧州生活には順応していると思っていた。しかし、待てど暮らせど来ない。雪の降る中、2時間半待ち続けたその時、全身白できめて登場。謝ることなく会話に移行し、遅刻したという意識はないようだった。個人の性格といった次元を超えて時間感覚にはかくも地域で差異があるのかと思い知らされた。
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