「勢(きお)い肌だよ。神田で育ちゃ」。コテコテの関西人である私が、小唄の「神田祭」を師匠から教わる。今年は、コロナ禍で神田祭の神幸祭や神輿(みこし)の渡御(とぎょ)が中止になった。偶然にも神田は、のちに神戸っ子となった母方の祖母と父の生誕の地。せめて、唄で祭りの気分を味わい、神田を具体的に感じようと挑戦した。
小唄の師、吉川明貴子師匠は1939(昭和14)年の浅草生まれで浅草育ち。祖母、母と三代続く小唄の師匠で名人と呼ばれる方である。また、先代は三姉妹そろって誉高い吉原の芸者衆であった。
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