過日、ドイツ人哲学者エディット・シュタインを描いた本に大変心を動かされた。この偉大な女性は悲劇的な最期を迎えたが、あくまで前向きな励ましのメッセージを、今も私たちに送り続けているという思いを強くした。
彼女は120年前に生まれたユダヤ人だが、無神論者となり、最後はカトリックに改宗し、修道院に入る。女性としてドイツで初めて哲学の博士号を取り、溢(あふ)れる才気で哲学界のスターとなった。深遠な神学論を著し、女性の権利について啓蒙(けいもう)した先駆者の一人だ。
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