ひょうごの医療

「原発事故では医療関係者自身も迅速に避難する必要があるなど、非常に特殊な状況が生まれる」と語る近藤久禎医師=京都市内
国立病院機構災害医療センター災害医療企画運営室(東京)
近藤久禎室長に聞く
病院壊滅、近くで原発事故…
大規模移送へ備えを
医療機関が災害で壊滅的な被害を受けたり、近くで原発事故が起きたりした場合、入院患者や医療関係者らが他施設に移る「病院避難」をする必要に迫られる。大規模病院であればあるほど一斉搬送は困難を極め、東日本大震災では、適切な医療を受けられないまま搬送せざるを得なかった患者らが命を落とした。医療支援に取り組んだ国立病院機構災害医療センター(東京)災害医療企画運営室長の近藤久禎(ひさよし)医師(44)は、当時の課題を踏まえ「防ぎ得た死を減らすためには、絶え間ない医療を施しながら搬送することが大事だ」と強調する。
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- シリーズ37 災害医療
2015/1/3~2015/1/24
1995年1月17日、阪神・淡路大震災。あの日、崩れた倒壊家屋の下敷きになって重傷を負ったり、その後の避難生活で体調を崩したりした人たちが、十分な医療を受けられずに相次いで命を落とした。この20年で、そうした状況は改善されたのか。兵庫県内の医療の最前線に迫る連載の第37シリーズは、災害医療を計4回にわたって取り上げる。

