兵庫県姫路市長選で新人との一騎打ちを制し、再選を決めた現職清元秀泰氏（５９）＝自民、公明推薦＝。当選確実の報が事務所に届くとほっとした表情で現れ「政策に対する皆さんの信頼が２期目につながった」と感謝を述べた。

　前回２０１９年の初当選後、わずか１年足らずで新型コロナ禍が直撃した。医師としての知見を生かし、出産を控えた妊婦とパートナーへの無料ＰＣＲ検査を全国に先駆けて実施。民間病院への専用病床開設や、保健所による自宅療養者への対応強化に取り組んだ。

　選挙戦では「市民の命を守ることに力を注いできた」と実績を強調。ポストコロナ社会を見据え、次世代エネルギーを活用した新産業の誘致や脱炭素の推進などを掲げ、支持を広げた。

　郊外の人口減に危機感を抱き、市域全体の「均衡ある発展」を目指す。郊外への転居を促すため、特定の地域に転入した子どもの給食費無料化などの優遇策を打ち出した。

　一方、周辺市町から後れを取っている１８歳までの医療費無料化は「財源が確保でき次第、実施する」と時期を明確にしていない。２期目は市立高校３校の統合新設など大型事業も本格化し、財源確保を含めた手腕が問われる。花束を手にした清元氏は「人の命を大切に、市民の暮らしを輝かせる市政を続ける」と表情を引き締めた。（田中宏樹、森下陽介）

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