姫路

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名門再建に取り組む東洋大姫路の岡田龍生監督。ノックなど精力的に動き回る=姫路市打越の同校グラウンド
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名門再建に取り組む東洋大姫路の岡田龍生監督。ノックなど精力的に動き回る=姫路市打越の同校グラウンド
昨年完成した室内練習場で打ち込む選手たち=姫路市打越の同校グラウンド
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昨年完成した室内練習場で打ち込む選手たち=姫路市打越の同校グラウンド
管理栄養士が考えたメニュー。寮生は学校食堂で栄養バランスが取れた食事を口にできる=姫路市書写の同校
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管理栄養士が考えたメニュー。寮生は学校食堂で栄養バランスが取れた食事を口にできる=姫路市書写の同校
岡田監督が投打の柱に期待する露本一惶捕手(左)と内海誠揮投手=姫路市打越の同校グラウンド
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岡田監督が投打の柱に期待する露本一惶捕手(左)と内海誠揮投手=姫路市打越の同校グラウンド
1977年8月、大手前通りで優勝パレードする東洋大姫路ナイン=姫路市内
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1977年8月、大手前通りで優勝パレードする東洋大姫路ナイン=姫路市内

 春夏通算20度の甲子園大会出場を誇る高校野球の東洋大姫路(兵庫県姫路市)で、OBの岡田龍生(たつお)監督(61)が就任1年を迎えた。前任の履正社(大阪)を夏全国制覇に導いた名将。昨年4月、高校時代以来、久々に姫路に戻り、今年は部員120人の大所帯を束ねる。名門再建に向け、全体のベースアップを図った上で、選手の肉体改造や打撃力強化に取り組んでいる。(辰巳直之)

 15日に開幕する春季県大会(神戸新聞社後援)を前にした同校グラウンド(姫路市打越)。ノックをする岡田監督の大きな声が響く。細かなケース設定をした守備練習が長時間、繰り返される。「履正社で優勝した時も打撃のイメージが強いかもしれんけど、僕の基本は守備、走塁、バントですから」。ノックバットを振り続けた指揮官は、そう言って額の汗を拭った。

僕らの高校時代のような強さ取り戻す

 東洋大姫路は、1977年夏の優勝をはじめ、76年春4強、82年夏4強などの実績を持つ強豪。岡田監督の就任前、昨年春の選抜大会には出場したが、近年は苦戦が続き、夏は2011年を最後に甲子園から遠ざかっている。

 白羽の矢が立ったのが、履正社で甲子園春夏通算13度の出場を誇る岡田監督だった。高校時代、主将として79年春の選抜大会で4強入りに貢献。87年から指導した履正社では、19年夏に日本一に導くなど全国屈指の強豪へと押し上げた。「僕らの高校時代のような強さを取り戻す。それが使命だと思って引き受けた」と決意を語る。

室内練習場を新設し打力強化、体づくりに栄養士を招く

 就任後、戦力全体の底上げを図る上でこだわったのは打撃力の強化だ。総工費約1億4千万円をかけ、ピッチングマシン6機を備える室内練習場を昨年5月に新設。屋外の打撃ケージも増やし、同時に最大12カ所で打撃練習に取り組めるようにした。

 一方で、「体づくりをするのにトレーニングだけではだめ」(岡田監督)と食事面のサポートにも重点を置く。昨年春から同校の管理栄養士に依頼し、寮生六十数人が朝、晩に学校食堂でバランスのとれた食事をとれるようにした。5月には、オリックスの球団専属管理栄養士としてイチローさんらを栄養指導した経験がある神戸女子大の坂元美子准教授を招く。

 選手との対話を重視し、選手自らが考えて動けるよう意識改革も図ってきた。今年3月まで保健体育の授業を持つなど、グラウンド内外でコミュニケーションを図ってきたという。「普段の言動や家庭のことも分かった上で指導すると選手の成長も変わる。一方通行でなく、双方向の指導が大事」と力を込めた。

期待の投打の柱 内海投手、制球や切れで勝負 露本捕手、巧みな打撃が武器

 岡田監督が投打の柱に期待するのが、エース左腕、内海誠揮(のりき)投手(3年)と3番打者の露本一惶(いっせい)捕手(2年)だ。内海が姫路市、露本は太子町と、2人とも地元出身。バッテリーとしてもチームを引っ張っている。

 スリークオーター気味のフォームで投げ込む内海は、昨年秋の新チーム結成時からエースナンバーを背負う。「球の切れとコントロールが持ち味」と岡田監督も評価。制球力向上のため冬場にじっくり走り込んだ内海は「下半身のぶれがだいぶなくなった。打たせて取る投球を心がけたい」と意気込む。

 岡田監督が「中心打者の一人。打席で対応力がある」と認める露本は、右打ちの巧打者。2年生のまとめ役に指名されているムードメーカーだ。「大きい当たりより、バットの芯でしっかり捉え、強く低い打球を打つことを意識している」と話す。守備では内野手を兼任するが、春季大会以降は内野手に専念する方向だ。

岡田監督、高校1年生時に全国V経験 地元の熱気に圧倒

 岡田監督には忘れられない高校時代の記憶がある。1年生だった1977年夏。本人はメンバー外だったが、先輩たちが甲子園で全国初制覇を達成。優勝翌日、姫路に凱旋(がいせん)し、市街地で大勢の市民に祝福された。

 当日の様子を報じた神戸新聞の紙面によると、優勝パレードをした大手前通りや、祝賀会場の大手前公園に計13万人が集まったという。雑踏で警備を担当した岡田監督は「とにかくすごい人で、すごい熱気だった」と振り返る。

 今も地元の期待を強く感じるという。町で見知らぬ人に「頑張ってや」と声をかけられたり、卒業生が差し入れを持って訪ねてきてくれたり。「姫路は人情味のある町。応援してもらうと、よりいっそう頑張らなあかんと感じる」と誓いを新たにしている。

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