〈わたしのオランダの両親〉と呼ばせてもらっているご夫妻がいる。34年前、日本に留学する友だちのお別れパーティーで紹介された彼のご両親。以後、小学生の息子さんと娘さんもいる温かな家庭で月に2度、ごはんを食べさせてもらうようになった。自然とオランダのことを学べ、オランダ語も進歩した。
9年半前、わたしの50歳の誕生日パーティーにもお2人は喜んで来てくれた。「きみのオランダの両親ってどういうこと?」と不思議がる友だちに、養子縁組をしたわけではないと説明した。実は出会った頃に「サキを(精神的な)養子にしよう」と話してくれていたことはあとから聞いた。
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