去年、ショパン国際ピアノコンクールが開催され、クラシック音楽界はショパン一色になった。高い次元での演奏が披露されると同時に、さまざまなサブストーリーが語られる。参加者だけにとどまらず楽器メーカーのストーリーなどなど。芸術に順位はつけられないという意見を耳にするが、芸術・アートの語源は「技」であり、人の表現の技を磨く場であるコンクールは芸術と親和性がないとは言い切れないだろう。
このコンクールは、最古のピアノ国際コンクールと言われている。背景には度重なる戦争があり希望を音楽に求めた姿がある。昔からポーランドはロシアなど隣国との争いがあり、独立に向けての努力が繰り返されてきた。争いの場は荒廃する。人々の精神的な負担は大きかっただろう。
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