音楽家という仕事柄「人生の物語に音楽がどのような役割を果たすのだろうか」と考えることがある。祈りの場で発展してきたクラシック音楽、できることならピンチな時にこそ役立ちたいものだ。
私は、幼い頃から俯瞰(ふかん)して物事を見る癖がある。しかしたまには心を寄せ感傷にも浸りたくなる。少しのアルコールとともに鑑賞する映画やドキュメンタリー番組そして舞台劇など。喜劇も素晴らしいが悲劇もまた魅力的な作品がそろう。心が適度に揺さぶられ感動につながる。カタルシスだろう。プロコフィエフのロミオとジュリエットなどは音を聞くだけで泣けてくる。
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