2000年前後に盛んになった改憲論議の中で、現行憲法の内容をわかりやすく解説する入門書を書かねば、と一念発起して01年に「憲法への招待」(岩波新書)を公刊した。この本は18刷にまで及び、大学入試問題などにも使われるようになった。
14年に改訂して新版となった本書の一部を高等学校の「現代国語」の教科書に転載したいとの申し出が、15年に明治書院という出版社から入った。高校までの児童生徒に読んでもらえる憲法の本を書きたい、とかねて考えていたので快諾した。出来上がった教科書には文豪の夏目漱石、森鴎外、宮沢賢治などの名作をはじめ、今一線で活躍する論客の論考などが掲載されていて面はゆい気がした。版元の要請を受けて、コロナ禍で自宅学習する生徒に直接メッセージを伝えるために、そのホームページでユーチューブ・デビューも果たした。
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