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 2015年10月にNHKの「こころの時代」に登場した画家の堀文子さんが「私の戦後70年」をテーマに話された内容が心に残っている。皇居近くの平河町に住まいがあり、二・二六事件の当日軍人に銃剣を喉元に突き付けられた恐怖、太平洋戦争での最愛の兄と弟の戦死、東京大空襲での自宅の焼失を経験して、武器を持ち他国と戦争するのが軍隊であり、そのあげく国の命令で人殺しを行うと話されていた。

 美大を出て画家となった堀さんは、憲法学者・宮沢俊義、児童文学者・国分(こくぶん)一太郎と共に「わたくしたちの憲法」(1955年)を著され、挿絵を担当された。私の生まれ年に公刊され毎日出版文化賞を受賞したこの本は、日本国憲法の条文を第一条から順に説いていく注釈書で小学校の教師が学校でどの条文からどのように児童に教えたらよいかという手引書が綴(と)じこまれていた。挿絵も切り絵のような斬新なものであった。

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2021/11/1
 

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