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 長かった緊急事態宣言もようやく解除されて、よどんで見えた街の様子も少しは明るくなったように見える。コロナ禍は私たちの生活のあり方を大きく変えたが、どの権利が「緊急」を理由に制限されたのか。まず思い浮かぶのは移動の自由、教育を受ける権利、営業の自由、表現の自由、会合(集会)の自由である。だが、もっとも制限され、脅かされたのが「生きる権利」ではないだろうか。

 1776年のアメリカ独立宣言には、生命、自由および幸福を追求する権利が書き込まれ、同じ文章が日本国憲法13条後段にも規定された。しかしそれは理不尽に殺されない権利を保障するもので、病気になって人が死ぬという自然の摂理ともいえる事態での「死なない権利」は想定外であった。独立宣言当時のアメリカでは、経済力のある者がみずから腕利きの薬師(くすし)(医師)あるいは呪術師と医療契約を結んで治すしかなかった。

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2021/10/15
 

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