東京の街中を歩くと、商店街や観光スポットで「TOKYO2020」ののぼり旗を目にする。昨年にオリンピックとパラリンピックの延期が決まり、年を越してもコロナ禍が終息せず開催が危ぶまれた冬から春にかけて、「TOKYO2020」が寒空になびくのを見ると、暗い世相を象徴する風景のようで憂鬱(ゆううつ)になった。
そんな記憶のせいか、オリンピックの自転車ロードレース開催地に野外設置された「TOKYO2020」の旗が盗難にあったとのニュースに触れた際、不謹慎にも少々感慨深かった。ともかくオリンピックは開催され、「TOKYO2020」は盗まれるほど威信を回復したのかと。
この記事は会員限定です。新聞購読者は会員登録だけで続きをお読みいただけます。